ベンツAクラスを運転してみる。
Aクラスのエンジン排気量は、A170の型番が示すとおり 1700cc。ボンネットフードは、ダンパー式でなく つっかえ棒式 ベンツなのに・・・。
エンジンルームの上から見る限り エアクリーナボックスが、どん!と中心部に収まっており 傾斜して収まるエンジンは、ヘッド部分がわずかに確認できるのみなので非常にコンパクトな印象。その配置は、どことなくスマートのエンジンルームに似ている。
ではでは、運転してみましょう。
エンジンキーを差し込むと なにやら認証作業のような間を一瞬感じる。パソコンがスリープモードから復帰する時のようなそんな”間”です。
気のせいか?
このようなパソコン的な感覚は随所で感じられます。アナログ的なクルマを操ってるという感覚とはちょっと違い デジタル制御でクルマに指令を与えてような運転感覚です。
特に凄いと感じたのが”クルーズコントロール&可変スピードリミッター”です。
ハンドル脇に伸びるレバーで操作する訳ですが、のんびり進むトラクターでは、スロットルレバーの経験があるとはいえ、クルマの速度コントロールは、アクセルペダルで行なうものと体に染み付いており、指先での速度コントロールは新鮮な感覚です。
軸方向に押し込むと クルーズコントロール と 可変スピードリミッター のモードが切り替わるみたい。
可変スピードリミッターとは、その名のとおり 設定した以上の速度が出せなくする機能。これが、便利!
可変スピードリミッターモードでは、メーターパネル内に”LIM”の表示がされる。
オートトロニック(CVT)は、スピードメーターとタコメーターの動きが比例しないし、変速ショックというインフォメーションもないため速度感覚がつかみにくいが、制限速度を設定しておく事で、アクセルを無責任に踏み込むことができる。
アクセルを踏み込めば、タコメーター針が目標位置まで跳ね上がるが、後はその位置でじっとしたままです。速度の上昇にあわせ 巧みにギア比を無段階に変化させているのでしょう。
シフトレバー横のボタンで ”S”と”C”のモードが選べる。
”S”は、スポーツモードだろうか?エンジン音も勇ましく 力強い発進加速感が得られる。回転数は2000rpm弱。
”C”は、コンフォート? 若干のタイムラグといいうか アクセルペダルとスピードが一致しない ダイレクト感に欠ける感じの加速である。回転数は、1400rpmくらいです。
アクセルペダルをオン、オフスイッチの様な無責任な踏み方をしても クルマが賢くアクセル操作をおこなってくれ 滑らかにマイペースで加速してくれます。
一定速度での回転数は、40km/hで1400rpm、100km/hで1800rpmほどです。
高速走行時の方が、低音ノイズが減る分静かに感じます。
ハンドリングは、シート位置が高いことからロールはあるものの、私程度の運転技術では限界を超える事はもちろん 不安を感じる事さえもありません。
リミッターは、設定速度より 2~3km/h低めで効くようです。下り坂で設定速度以上となったときにはアラームが鳴り速度超過を知らせてくれました。
クルーズコントロールモードでは、発進後30km/hに達したあたりでレバーを手前に引く事で アクセルペダルから足を離しても設定速度まで加速した後 設定速度で走行を続けます。クルマが勝手に走り続ける初めての感覚にビックリです。
楽チンではありますが、コントロールする権利を奪われたことによる不安が増し 緊張が高まります。
空いた高速道路では便利でしょうが、一般道では、可変スピードリミッターのほうが便利ですね。
感心したのが、日没時間の数分前にちゃんと点灯するオートライトシステム。
ここらへんの調整はヨーロッパ車が上手ですね。日が暮れしばらく過ぎてからやっと車幅灯だけが点灯する日本車とは大違いです。
ベンツAクラス 移動の道具としては、なかなか良いクルマです。
運転している楽しさは小さいですが、不満を感じる部分がないのでストレスが溜まらないのは やはり造りが良いということなのでしょう。
コミ込み200万円でとは言いませんが、もう少し安ければ 自分のでなく家族のクルマの候補になるのですが・・・。
日本車で このレベルのクルマがあれば なお良いのですけどね。